金子恵,西日本新聞 7/21, 8/4 掲載分

西日本新聞掲載の金子恵の作品です.今回も作家の解説付きでご覧ください.

2014年7月21日(月)『あの店のカレー』
2014年7月21日(月)『あの店のカレー』

ここのお店のカレーは野菜がたっぷりで大好きだったのですが、もうお店が閉店してしまい、食べることが出来なくなってしまいました。(しかし、そこの料理人と友人になったので、いつかまた食べさせてもらえることを夢見ています。)
『あの店のカレー』というタイトルと、カレーライスの絵をみて、みんな自分の『あの店』にあたる想いや思い出を頭に思い浮かべてくれるのではないかと思いました。
カレーではなくても、そういうものをみんな持っているのではないかと思います。
誰かの作品をみるときもそうであるように、私にとって、自分の中の何かを引き出してくれる、あるいは思い出させてくれるような感覚になれるものが好きだし、大事にしていることです。
その何とも言えない、言葉にもしたことがなかったことを、(もやんとしていた心の中のものを、)めきめきと思い起こさせて、もう静まることもなく、身体の中を満たしていくような感じになれば、『あーいい作品だったなー!』と展示会場をあとにできます。
そこを行くと現在の私の作品は特に(カレーライスならカレーライスの発するモノが既にあるので)モチーフ選びから発言の方向性がある程度決まっていると言えます。
ご飯粒とカレーのルー、福神漬けの表現が難しく、美味しそうに見えるように色を何度も試しました。楽しんで描けました。


2014年8月4日(月)『地球を支える子ども』
2014年8月4日(月)『地球を支える子ども』

三番目の甥っ子が三点倒立が出来るようになって、いつも、どこででもやってみせてくれます。
バランスを絶妙に保つために入った力の加減や、天を指し示すかのようにまっすぐ伸びた両足がとても綺麗で、いつまでも眺めていたい美しい彫刻のようです。
それを一番大事にしたかったので他の要素をあまり入れるつもりはありませんでしたが、どこでもいつでも倒立してみせてくれる可愛らしいさをもっと盛り込みたくてお家の様子とおもちゃのトラックをいれました。
足の裏や踵が思うようにきまったので良かったです。