金子恵,西日本新聞 6/2, 6/16, 7/8 掲載分

西日本新聞掲載の金子恵の作品です.今回は作家の解説付きでご覧ください.

2014年6月2日(月)『自転車と下駄』
2014年6月2日(月)『自転車と下駄』

帰宅途中で見つけた場面で、自転車は今風のものでしたが、(この組み合わせがなんとなく夏目漱石を思い浮かべたり)この下駄で自転車に乗るのかな?面白いなーと思って描いてみました。
(抽象的な作品の時から、もともと自分のことや自分の身の回りのこと、身の回りのモノをテーマにしていたはずですが、)自転車を描いてみたいと思ったのは初めてで、身近にあるもので描いたことないもの(描いてみようと思うようになったもの)がけっこう多いことに気がつきました。


2014年6月16日(月)『ゆっくりと、たのしいね』
2014年6月16日(月)『ゆっくりと、たのしいね』

親子の後姿がとてもかわいくて、思わず写真を撮らせてもらいました。お姉ちゃんが、私のほうを何度も振り返りながらもお母さんに手を引かれて階段を降りていきました。
エスカレーターのモチーフもそうなのですが、上っていく時の場面でハッとすることはほとんどなく、階段の時もやっぱり降りていく時のほうが惹かれます。
自分がハッとする瞬間は、生まれてからその瞬間の直前までの自分の人生の全てだったり、何かだったりを背負っての『ハッ』だろうと思いますので、大事に捉えたいと思います。お姉ちゃんの腕のデッサンが大きくくるってしまい、反省です。


2014年7月8日(火) 『凛として。』
2014年7月8日(火) 『凛として。』

自宅の庭に咲いた蘭ですが、今年は色違いのほうの蘭しか咲かなくて、昨年に撮った写真をもとに描いてみました。こちらのほうが私は好きなので、どうして咲かなかったのかと寂しく思って以前撮った写真を探してみると、やはりこちらの好きなほうの蘭だけは写真がありました。(自分勝手は毎年なんだなーということを認識しました。)
花は特に花びらが難しく感じます。形をとるのはとても楽しく進みますが、最小限に色をおさえないと、すぐ汚くなってしまいます。花びらだけではなく描き込んでいるうちに汚くなる、というのがほとんどの私の作品に起こっています。もっと綺麗に保ちながら形を追いたいです。
茎やツルをぐんぐん構成して仕上げました。楽しくかけました。